容積を満たす手法はある |マンション買うなら・・・

2012-05-20更新
  • 容積を満たす手法はある
  • プランの使い回しに走る無責任
  • 6畳より狭い部屋の...「ギロチンマンション」
  • 大切にしてほしい感覚
  • デベロッパーのお金の使い方

例えば、最上階住戸の主婦が小さな子どもを連れ、たくさん買い物をして自宅のマンションに帰ったら雨が降っていて、エントランスホールに入って傘をすぼめてエレベーターに乗って最上階で降りて、また自分の住戸へ行くのに廊下で傘をささないとならないなんて…。先ほど書きましたように、過去に2件くらいこのような過ちを犯し、その後は無い知恵を絞って、外廊下にはすべて屋根か庇が付くように設計いたしました。それで何とか容積を確保いたしました。設計者もCAD(コンピュータを利用した設計法)だけに頼らず、手作業で鉛筆ナメナメ細かく検討すると何とかなるものです。私は評論家ではありませんので、具体的に実務でお話しさせていただきます。私の経験では、CADで逆日影の網の中で計画すると、予想していたほど容積は満たせません。逆に、ある程度の階数の目安を若干多めに計画して、CADで日影チェックをします。そこで、規制よりはみだした部分だけカットしますと、前者の逆日影の網の中での計画より多めに容積が確保できます。外廊下の屋根・庇を取らなくても、容積を満たす手法はいくらでもあります。

実直に日影規制をクリアする

ただ、やめていただきたいのは、各階の階高を下げたり、1階の住戸の床レベルと地盤面のレベルの差をゼロに近くすることです。このようにして日影規制をクリアーするのは初心者でもできます。また、そのようにして作ったマンションは売れません。さらに申し上げたいことは、デベロッパーの作成した収支計算書は、全戸売れた場合のものです。容積は限りなく目一杯、有効率は限りなく100%に近く、設計監理料と建築工事費も限りなく安くして収支計算書を作成し、社長または担当役員まで稟議書を上げて承認してもらうわけです。昔のように作れば売れた時代は良かったですが、現在のように在庫が1万戸を超えている時に、数字だけで商品を作っていたら絶対に失敗します。このことがわかっているのが、私の経験では三菱商事です。「売れそうもない方位や、まともでない住戸を作って容積稼ぎするのなら、その分、容積を捨てて確実に売れる住戸を作ったほうが、建築費も安くなるし会社の信用につながる」。三菱商事の企画責任者のことばです。お手本にしてください。